ももんじ通信

ライフログ的なにか

隣人のボルゾイを洗う

隣人が飼っている犬を洗ってほしいというので、自宅に連れて帰ってきた。

隣人が飼っているのは真っ白くて大きな犬で、髪の長い女みたいな犬だ。ボルゾイというらしい。

人様の犬をそんなにおいそれと洗ってしまっても良いのだろうか。なにかトリマーの免許のようなものが必要なのではないかと思ったが、押し切られてしまった。

隣人と一緒にいるときはおとなしくしていたくボルゾイも、家の中に連れて入ると途端に激しく暴れ出した。やはり、なにか資格が必要なのだ。

無理矢理風呂場まで連れて行ってシャワーのお湯をかけると、驚いたボルゾイにシャワーヘッドを持った手を噛まれた。

噛まれても存外には痛くない。人間の女のような見た目なのだ。とても優しく、私の手を噛んだ。

洗い終わったボルゾイを大きなバスタオルで包むと、安心しきったボルゾイは眠るように体を小さく折り曲げた。

私は驚いた。あんなに大きい犬なのに身を縮こませると、手足が綺麗に収納されて、小型犬のようなサイズ感になってしまうのだ。

すごいぞボルゾイ!感心してその長い髪のような耳を撫ぜると、ボルゾイは嬉しそうに目を細めるのだった。

ダラダラしていたら一日が終わった

今日は昼過ぎまで寝て、アフロ田中を読んでいたら一日が終了した。

夜になってからずっと見たかったシュタゲを見始めたら訳分からぬ……最後までみたら分かるのか?まゆしぃは可愛い。

無意味に一日を浪費できるのは楽しいことだなあ〜

これまで何日も連続で更新してたので惜しくてギリギリの更新。

明日は新しいチャレンジに向けての準備が始まります。

ベビーカー・車椅子利用でスムーズな乗り換えを検索するには?

先日、銀座線の車内で『ベビーメトロ』というサービスがあることを知りました。

これは東京メトロの駅で「地上だけでエレベーターだけで移動できるか?」「エレベーターだけで乗換できるか?」「ホームベンチがあるか?」を調べることができるサービスのようです。

私はこれまで、ベビーカーや車椅子での電車の乗換えについて全く考えたことがありませんでした。そのため、実際にそういったサービスがリリースされていることに目新しさを感じ、バリアフリーな乗り換えについて調べてみることにしました。

まずは、調べるきっかけになった「ベビーメトロ」を使ってみることにしました。

ベビーメトロ

アクセスするとアンケートが表示され、回答すると使用することができます。

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私のように試しに使う場合にも選べる項目があるのは、不用意に嘘をつく必要がないので嬉しい。

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入力して次のページに進むと、検索窓と使用する路線が選べるアイコン・検索履歴を表示するシンプルな画面に。

なお、2度目の利用からはアンケート結果が記録されて直接この画面に行けるようです。

来週、半蔵門に行く用事があるので試しに検索してみると、自動的に駅の情報に切り替わる。

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表示は各駅ごとなので、何駅でもまとめて調べられるのは便利そう。

あとは、各駅ごとの情報が見られるのは嬉しい。エレベーターに関係なく最寄りの出口に近い車両や利用したい駅の構内図を調べることができます。

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たまたま調べたのが1路線しか通っていない駅だったため、複数線通っている駅を調べてみました。

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乗換えられんのかーい!と盛大に突っ込んでしまった。

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当然、路線にない駅は表示されない。

 

ベビーメトロサービスを実際に使ってみて思ったのは、単に駅の案内をするためのサービスであり、乗り換え案内サービスではないということです。

乗換えサービスを使い慣れていたため、乗車駅と降車駅だけを入力して検索してしまいましたが、実際に表示されたのはそれぞれの駅の情報であり乗換え駅の情報ではありませんでした。

つまり、このサービスをスムーズに使うためには事前に出発地から目的地までのルートを調べる必要があり、あくまで駅でのエレベーターの有無やベンチの有無を調べるためにしか使えないということです。このサービスをもともとの目的で利用するためには、付加的により多くの情報を調べる必要が利用者に出てしまいます。

また、乗換えたい駅が分かっていても、銀座を調べた時のように、ただ単にその駅ではエレベーターでの乗り換えができないことが分かるだけで、代わりにどの駅を乗換えに用いることができるかが分かるわけではありません。

つまり、現状ではかなり限定的な利用方法に限られてしまうサービスだと言うことができるでしょう。

また、東京メトロは他社線の乗り入れを多く行なっているため、本当に使えるサービスになるためには他社線の情報を盛り込むことが不可欠です。

これからの更新でもっともっと使いやすいようになるといいなと思います。

ただ、現状で他のサイトから情報を見るのに比べて、使いやすい部分もあります。それは車両情報と構内図が簡単に探せるという点です。

東京メトロの駅には、同路線内の駅の何両目が出口に近いかを示す表示がありますが、ホームに大抵1枚しか掲示されておらず、それを逃すと果たして自分が何両目から乗れば目的地でスムーズに改札に辿り着けるのか、乗換え口が近いのかがまるで分からなくなってしまいます。

また、地下鉄は出口が多い上、構内も広いので初めて行く駅では自分の目的地に一番近い出口を探すには地図を見る必要があります。

それが駅名を調べるだけで気軽に見られるのは画期的なサービスだと強く感じます。

似たようなサービスの山手線バージョンである「山手線エレベーター」というアプリも存在しているようです。

「山手線エレベーター」をApp Storeで

こちらはJRの公式では無いようですが……。

 

これまで「ベビーメトロサービス」を利用した検索の使い心地をまとめてきましたが、では他のサービスで同様の検索ができるものはないのでしょうか。

調べてみると、ベビーカーでの移動をスムーズに調べることができる「ママすぱあと」というサービスがあったそうですが、2018年2月28日でサービス終了とのこと……。

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代わりに「駅すぱあとfor pigeon.info」というサービスがあるようですが、こちらは会員登録が必要。

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駅すぱあと for Pigeon.info | ママのはじめてサポートサイト | ピジョンインフォ

また、本家の駅すぱあとにも「ママモード」なるものがあるようですが、こちらは有料サービスのようです。

ママモード誕生!駅すぱあと新機能のお知らせ

 

らくらくおでかけネット」というサイトでは、バリアフリー情報を見ることができます。ここが一番調べやすいのではないでしょうか。レイアウトがパソコンなのは玉に瑕というところ。

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らくらくおでかけネット

また、Googleマップでも2018年3月から乗り換え案内に「車椅子オプション」が追加されたそう。こちらもまだまだ駆け出しの機能で、地域が限定されていたり情報が不十分だったりするようです。

Googleマップ、 乗り換え案内に車椅子対応オプションを追加 | TechCrunch Japan

今回調べてみて痛感したのは、ベビーカーや車椅子での移動について調べるのは、すごく大変だということ。調べるのすらこんなに大変なのに、実際の移動はもっともっと大変だろうなと思います。

気軽に手伝おう!なんてことは思いませんが、誰かが不便に思っていることをもっと実感を持って普段から見られるようになれればいいなと思いました。

予約投稿をミスりました

以前の記事で、予約投稿で数日分まとめていることを書いた。

やはり最近も書こうと思ったことをちまちま書き溜めていたのだが………。

昨日投稿履歴を確認していたら12時に2件投稿されているのを発見。

書き溜めてるのを忘れて投稿が重なってしまったのだ。

きちんとチェックしていないと、書き溜めにこんな罠が…!と実感したのだった。

今日は以前から気になっていたブログカテゴリの階層化をやってみたいなと思っている。カテゴリがあまりに雑多すぎるので………。

部屋の整理整頓ができないところがこういうところにあらわれる。

自分の部屋なら「私の部屋なんだから何しようと私の勝手でしょー!どこに何があるか分かってるし!」と言って終われるところだけど、人に見せるブログなんだからそうも言ってはいられないものね〜

クレームを入れる

今日は、やむを得ない理由でクレームの電話を入れることがあった。

会ったこともない顔も知らない人に文句を言うためだけに電話をかけるのは本当にドキドキした。

気が引けてるから手元に確認したいことのメモを何度もしながら話した。

何度かクレームを受ける側になったことがあるが、その際は気配りをカケラも感じなかったので、ある意味彼らは尊敬すべきメンタルの持ち主なのかもしれない。

私は家族への当たりは強いので、これくらいの心配りの1パーセントでも持って臨まなきゃなあと思った。

いらないメールがいっぱいくるはなし

ゴールデンウィークの間の1週間、面倒で普段使いのメールアドレスを放っておいた。休み明けに確認した時に、未読メールが800件も溜まっていたことに愕然とした。

これまでも来すぎるメールには辟易していて、空いた時間などにこまめに削除するようにはしていた。ただ、もうこれは元を断つより他はないと考え、メールマガジン整理の荒波に漕ぎだしたのだった。

とりあえずメルマガをしらみつぶしにする為には最近きているものから停止していくのが得策だろうと考え最新のものから申請を開始した。

以下がそのリストである。

ソフマップ

・ローチケ
・honto
hmv
GMO
・モバゲー
・DMM
紀伊国屋書店
justsystems
・カンフェティ
・peatix
マイナビ

普段からチケットを購入することが多いため、チケット系のメルマガが多い。また、本やソフトの購入のため、関連するメルマガがたくさん来ていることがわかった。GMOとモバゲーに至ってはなぜメルマガがきているのかがまるで分からない。マイナビは新卒の際の就活で使った名残でメルマガが来ていたようだが、ゴシップまがいのくだらない恋愛ニュース(「同僚にモテるには?」など)ばかりを配信してくるので、嫌気がさしていたのでいい機会だと思い停止した。

10件以上のサイトのメルマガを停止したが、撮りためていたビデオを見ながらメールを遡っていたので、そこまで大変ではなかった。メールの停止にあたってはいくつか注意しなくてはいけないことがある。

①必要な情報まで配信停止にしないようにする

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チケットサイト系の情報は、これまで購入したチケットを踏まえてカスタマイズされたものである。これからも見に行きたいと思うコンテンツや役者さんなどの配信は止めないようにする必要がある。出演者が重なる演劇の配信があると、怒涛の勢いで同じ公演の案内が何十件も連なるという事態になるのはご愛嬌。

他にも、パソコンで使用しているソフトの更新状況など、使用する情報は配信されるようにしておく必要がある。

②メール配信の息の根を止める

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メールマガジンの登録にあたっては、ひとつのサイトであっても複数件のメールマガジンが配信設定になっていることがある。たとえ一件配信停止にしても、まだまだわんさかとメールマガジンが送られてくる場合もあることを念頭に置いて全ての配信を停止する必要がある。

 

以上のように、メールマガジン停止処理を一気に行ったため、明日からのメールの件数が大変楽しみな状況にある。黙っていてもたくさんの情報が飛び込んでくる時代だからこそ、得られる情報は選んで絞っておく必要があるだろう。

そんなメールマガジンの中でも、気に入っていて配信を止めることができなかったものがいくつかある。

 

勝間和代さんのメールマガジン

勝間和代さんが毎朝配信しているメールマガジン。私にとっては毒にも薬にもならない情報しか流れてこない。読んだらすぐに消す。だけど、毎日何かしらにチャレンジされてるのでなんか楽しくて読んでしまう……そんなメルマガ。

 

・絵本ナビのメールマガジン

絵本に関するデータベースとオンラインショップを運営している絵本ナビからくるメールマガジン。絵本のキャラクターをモチーフにした新作グッズや季節の絵本の案内など、独自の案内が程よくて来たら必ず目を通してしまう。贈り物にも使えそうで気になる対象。

 

Amazonメールマガジン

Amazonは本当によくメールマガジンを送ってくるが、最近は大抵の蔵書をAmazonで購入しているためこれまで購入した本に関連した書籍や「ほしい物リスト」内の在庫状況、これまで買ったコミックスの新刊などを逐一教えてくれる。ほかの書籍・ソフトに関連したメルマガが必要無くなってしまったのは、このAmazonシステムがあまりに優秀だからといっても過言ではない。なお、最近必ずチェックしてしまうのはAmazonプライムvideoの新規配信コンテンツリストのメールマガジンである。

 

とりあえずはメールマガジン停止の処理を行ってみたが、効果が出るかはまだわからない。明日以降また調整を行なっていきたい。

フロカツのすすめ

最近つくづく思うのは、できれば大方の作業をiPhoneで終わらせてしまいたいということです。

正直、はてなブログのリンクの処理もiPhoneでできたらな〜というのが本音。

思えば大抵の作業はiPhoneでできてしまう。ブログの更新から設定、さまざまな情報収集、アイデア出しまで。

私は最近、風呂に入っている時間を色々な作業を行う時間に充てている。

風呂に入ってる時間は風呂に入ることに集中しろ!という意見もあるようだけど、正直風呂での作業ははかどる。

まず、風呂場には気持ちを乱す娯楽が一切ない。そのため、やらなくてはいけない作業をほっぽって遊んでしまうことはほとんどない。

次に、湯船につかった状態で作業を行うと、血行が良くなるので脳みその働きがとてもはやくなる気がする。それまで考えたこともなかったアイデアがポンと浮かぶこともある。

最後に、区切りの良いところまで作業を進めることができる。風呂に入る前に目標を決め、それが終わるまでは風呂から出ないと心に決める。時間が経てば経つほど風呂にいるのが苦痛になってくるため、頑張って作業を終わらせようとする。だから、区切りの良いところまで作業を終えることができるのだ。

自分なりにはかなりの大発見なのだが、どうだろうか。しかし一向に私の肩こりが改善しないのはもしやこのフロカツのせい?長い時間湯船に浸かって汗を出すこの風呂での作業は週に1〜2回しか行わない。「やってみたいな」と思っていただいた場合には用法容量を守ってお使いください………。

 

ドリームズ バスライト 【I Love New Yoku】 アヒル 防滴仕様 イエロー BAC64094

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2018/06/03 追記

その後iPhone7は誤って浴槽に落としたことにより、水没判定を食らいました。画面に謎の亀裂が入るも、液晶に入り込んだ水だと判明。しばらくして乾いて何事もなく………鳴りを潜めているだけかも。

浅草に行ってきたはなし

ゴールデンウィークの間暇だったので浅草に行ってきました。

お休み真っ只中だから混んでいるかと思いきや、そうでもなかった。

外国の、特に欧米の方が多い印象。

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とりあえず浅草に行くと浅草寺に行く図。

伝法院庭園特別拝観と大絵馬寺宝展(5/7まで)が開催中だったので、立ち寄ることに。

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閉まっちゃった後だけど……外観

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普段見られない角度の五重塔スカイツリー

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五重塔相輪旧宝珠。東日本大震災では154キロあるこの宝珠が落下したものの、賑わう通りではなく誰もいなかった伝法院庭園に落ちて怪我人が出なかったとのこと。

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広々とした庭園。

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たぬきがたくさん。

庭園の中央は島になっていて、いろいろ有難いものがあるそう。

大絵馬寺宝展は、さまざまな意匠で製作され奉納された大絵馬が飾られていた。観音様に由来する民話や当時の職人の技術を見せつけるようなものなどかなり多岐に渡っていた。中でも「浅茅ヶ原の鬼婆」(観世音霊験一ツ家の旧ことに)を題材に取った絵馬は歌川国芳の作画だとか。

浅茅ヶ原には鬼婆とその娘が住んでおり、宿を求めて訪れる旅人を殺して生計を立てていた。殺された旅人が999人に及んだことを嘆いた観世音菩薩は麗しい稚児に身をやつすと鬼婆の家に1000人目の旅人として泊まりに行く。娘は稚児に魅了され夜中に忍んで稚児の元を訪れるが、そうとは知らない鬼婆は自らの娘を手にかけてしまう。嘆き悲しんだ鬼婆は自らも池に身を投げて死んでしまう………。

私が知ってた鬼婆伝説は、単なる旅人を鬼婆が殺していくものだったが、展示では少し内容が異なっていて旅人を殺す鬼婆は実は仏界の偉い方の化身で、殺す旅人は悪人ばかりで娘と鬼婆も死後は仏界でまたもとの姿を取り戻す……という内容だった。バリエーションも多い話なのだと思う。

展示室の中は撮影禁止だったので、代わりの資料が以下のリンクです。

浮世絵×霊験:神奈川県立歴史博物館

衝撃的だったのは、かなり古い木製の資料が出入り口の日も当たって外気に触れる場所に置かれていたこと。大丈夫か!!?と正直心配でした。限定公開だからいいのかな…?

本当に軽い気持ちで拝観した伝法院庭園でしたが、なんとこの時期にしか公開されていない貴重な庭園だったようです。国指定の名勝で、明治時代までは一般客は足を踏み入れることさえできない場所だったとか。

次回の公開は来年の3月ごろのよう。大変運がよかった……。

伝法院はいつ入れる?一般公開期間や見所を知り庭園を楽しもう! | 浅草観光のオトモ

 

さて、浅草にきたら浅草公会堂脇のオレンジ通りの「オレンテくん」を拝んで帰るルーティンになっています。

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夜中には仄暗い明かりの中、ミラーボールのチラチラとした明かりの中で佇む彼の哀愁ったら……。見ずには帰れない隠れた名スポットです。今回は昼間に撮ったので、健全み溢れるオレンテくん。

当日券に並ぶはなし

観劇を趣味にしていると、当日券に並ぶという瞬間が訪れる。大抵の当日券は並ばずに買うこともできるが、稀に特に人気のある公演となると、並ぶという手続きが必要になるのだ。

当日券の並び方にはいくつか種類がある。

まず、抽選式の当日券。これは超超人気な公演(ジャニーズが出演しているなど、特定のファンが集中する場合)に多い。集まった希望者にくじを引かせその番号に応じて当日券の販売順を決めるのだ。この場合、並ぶのはくじを引くためである。

次に、公演ごとに当日券を販売する場合がある。たいていは開場時間の1時間前に販売が開始され、原則としてそれより前に列を形成することは禁止されている。まあ、あくまで禁止されているだけで、自主的に並ぶ人はかなり多いのだが……。並ぶ時間は1時間前後であり、座り込みが禁止される。許容できる長さの時間のため、並んでいる面々も大人しくしている。

最後に、その日の公演のチケットが何枚出るかがわからないため、買えるまで並び続けるというイレギュラー中のイレギュラーなチケット販売がある。これは、某人気俳優さんのK伊國屋ホールでの一人芝居の当日券販売で唯一体験したことがある。

その日は3公演開催され、何も知らない私はサイトで確認して朝イチの公演の当日券販売時間を考え午前8時過ぎには窓口に向かった。まさに長蛇の列で、幾度となくその日に何枚チケットが出るかわからないと告げられたのを覚えている。朝の公演のチケットが売り始められると、店舗の階段に並ばされた列がどんどん短くなって行くので期待はしたが、あっけなく売り切れ。昼の回では5人前で切られてしまい、その時点で既にフルタイム勤務くらいの時間は立ち続けている状態だった。耐えきれず、列に並んだ客がひとり、ふたりと座り込み始める。確かに座り込みは禁止されているが、あくまでこちらも客である。何時間も売られるかわからないチケットのために立ちん坊で並んでいるのだ………。そう思い始めた刹那、チケットセンターの奥からロマンスグレーなおじさんが飛び出してきたかと思うと「座り込まないで!ダメダメ!立って!」と列に向かって声をかけ始めた。わたしは愕然とした。足はもはや棒のようで、さらに言えば飲み食いも出来ないため、喉はカラカラお腹はペコペコだった。

こうなればもはや意地だ。無言のまま連帯感を強めた列は、座り込まないギリギリのラインで体を壁に預けるという選択を取った。低い姿勢でめいめいに時間を潰す列に30分もしないうちに座っても良いという許可が下りたのは、ひとつの勝利のように感じた。

いま思えば、なぜその公演は抽選で当日券を売るという手段を取らなかったのだろうかと甚だ疑問である。劇場のあるフロアの店舗の廊下にズラリと行列をつくり、朝から晩まで座り込みを規制しながら耐えさせる必要は果たしてあったのだろうか。単にノウハウが無かったのか、抽選はしない主義だったのか………今となっては真相は藪の中である。

 

 

 

立ち見券はもう少し安くて然るべしと思うはなし

昨日、観劇における低等級の席について述べた。低等級の席を選ぶときは、それなりの値段であったり、低等級席を取ったという心構えがあるからあえてそちらを選択することも視野に入れるメリットはあるということだった。

しかし、わたしにはどうしても許せない席が存在する。それが「立ち見席」である。

これまでわたしも何度か立ち見席を求めて劇場に足を運んだことがある。立ち見券を買いに行く理由としては「その公演がど〜〜〜〜しても見たい!」という気持ちが抑えきれないというのが主な理由だが、それにしても立ち見席と言うのは許せないいくつかの理由がある。

そもそも、観劇というのは椅子に座ってプログラムを楽しむという部分まででワンセットだと思う。つまり料金の半分……いや、3分の1は椅子に座ってプログラムを見られるという部分に発生しているのだとわたしは考える。だいたい、劇場に備え付けられた椅子でもないスペースを、そもそも頭数に入れていないスペースを客席として販売しているのだからある程度のディスカウントはあって然るべしなのではないかとわたしは思う。

わたしが今まで購入したしたことのある立ち見券は、通常料金と同じか500円安いというものであった。

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某大師匠の会でも立ち見は1000円引きである。もともと客席として想定していない場所に客を入れて、通常とほとんど変わらない料金を取るのは暴利ではないかと感じる。きっと色々な事情があるのかもしれないが……。

だとしても、わたしはやっぱりどうしても行きたい公演があるならば、立ち見券ででも見に行くと思う。それは、その公演がどうしても見たいためだ。しかし、それに客側が100パーセント満足しているわけではないのだと強く主張したい。立ち見はあくまで立ち見なのだ。「あの公演、どうしても行きたかったからさ、値段変わらないけど立ち見で行ったんだぜ〜」と言うのは客へのやりがい搾取にすぎないのだとわたしは強く主張したい。

これまでわたしは何度か立ち見席というものを体験したことがある。立ち見には全部で3種類あり、前方に手すりがある場合、後方に寄りかかれる壁がある場合、なにもない場合である。

一番楽なのは圧倒的に前に手すりがある場合だ。もはや立ち見で開き直っているので、自分のスペースの限り楽な姿勢を探ることとなる。後方に壁の場合には、荷物の置き場所にとても困るという点でなかなか難所となる。基本的に私たちには最低限のスペースが与えられるため、出来るだけ隣の同士の迷惑にならないように振る舞う必要がある。荷物を足の後ろに置いて壁に体を預けるスタイルでは、反り腰になり後半地獄を見る。だからといって壁にぴったり体をつけて足に立てかけるように荷物を置くと、プログラム半ばでその荷物が倒れて気まずい思いをすることになる。結局、体を壁に預けた状態で体の側面に荷物を寄せて手で荷物を管理するスタイルが最強なのだが、多くの場合それが叶うスペースは立ち見には与えられないのが現状だ。

寄りかかるものがなにもない場合は、端的に言って死を意味する。寄る辺もなく立たされ、後ろの壁を許された立ち見民の邪魔にならないように出来るだけ直立不動を強いられながら、わたしは世界史の教科書で見たことのある奴隷船の絵を思い出していた。立ち見で寄りかかれるスペースのない席を用意する主催者は、滅びればいいと思う。

この最後に挙げた寄る辺のない立ち見席のことはなかなか忘れられない思い出だ。

某老舗劇場での会だった。当日券を買いに行くと立ち見しか無いという。値段は通常料金と変わらず。その日はその公演を見たくて家を出ているので、購入。立ち見客は開演の5分前まで会場の近くで時間を潰し、集合して会場に案内されるということだった。集められた立ち見客は大きな荷物を回収され、二列に券番順に整列すると、会場内の通路へ案内される。着いた先の足元には番号の書かれた養生テープが貼られていて、どうやらそれが私たちの席という扱いらしい。通路にぎっちりと並べられた私たちは、お互いにぶつからないように気を遣いながら公演をみていた。手元に残っている荷物は足元に重石のように置き、暗転のたびに小さく屈伸して足のコンディションを保った。ふと、反対側の通路をみると、そちらにも同じように立ち見の観客がぎっしと詰められているのが見えた。決して安い公演ではないのだ。決して、安い公演ではなかったのだ。

人気のある公演に行くと、やはり立ち見の客を見かけることがある。なんだかなあ〜もうちょっと安ければ、いいんだけど。特に、落語の公演なんかでお年寄りが立ち見しているのをみると切なくなる。