ももんじ通信

ライフログ的なにか

新房昭之監督は私たちに綺麗で冷たい東京を遺してくれた【映画「天気の子」感想】

(ネタバレなし感想)

昨日、映画「天気の子」を観てきました。

事前に知っていた映画の前評判はというと……

 

・これこそ新房昭之!!

・途中で何回も選択肢が見えた。

・ギャルゲで言うところのGOOD END

・「君の名は。」で入った奴ザマァwww

カップヌードルは2分が美味しい

 

くらいで、一部のヲタクのマウント気持ち悪いな。でも評判いいな。観に行くか〜という感じで、主人公のビジュアルすら知らない状態で行ってきました。

新房昭之監督の作品はなんやかんやで「君の名は。」から見て、ついでに「秒速五センチメートル」を見たくらいなのでにわかオブにわかなので、らしさとか全然わからないのでそこを踏まえての感想です(言い訳おわり)

1番印象に残っているのは、2019年の東京か本当にリアルな風景として切り取られているということ。広告や音、匂いまで感じられるような東京の風景が本当に細かく描かれていて、10年先も20年先もこの作品を観て2019年の東京を思い出すことができるのだと確信できたことだった。「君の名は。」で描かれていた東京はド都会で恵まれて育った瀧くんやキラキラ東京に憧れる三葉の目から見る「陽」の新宿で、ひとつの東京の姿として変わらない部分を映像化していた。

一方で「天気の子」は「君の名は。」で描かれなかった、常に変わり続ける蠢いていく都会の中で、でもずっと身近な姿をたくさん描いてくれていて、それが何より嬉しかった。

ストーリーはゼロ年代セカイ系ど直球で、同年代のオタクは嬉しいだろうなあ〜〜という印象。ただ、セカイ系の主人公になる年代の感覚に年代的に気持ちがほとんど移入できなくなっているのは個人的に悲しかった。それがまた、二人のお兄さんポジ、お姉さんポジにも上手いこと気持ちを重ねることができない年代なのがもどかしくてね……また何年か経ったら見返したいなと思いました。

その点、新房監督自身は少年少女の心を保ったままのようで、「今時こんなに極端に嫌なババアいないよ!!?」というおばさんが登場したり、逆に達観したおじいちゃんおばあちゃんでハイパー安心感を与えてくれたりと、その思春期マインドでの人間性の極振りの表現がキマッていてとても良かった。

キャラクターは圧倒的にヒロイン陽菜の弟がスパダリショタ様で素晴らしかった。親の育て方が良い!ショタアワード2019を差し上げたい。

あと、主人公のお姉さん的存在の夏美さんも元気いっぱいで良かったなあ〜〜大学で浮いてるんだろうなあ〜〜

なんやかんやでみんな学校とか行かないなと思ってたら、夏休みなのね。夏休みか〜〜いいな〜〜

 

小説 天気の子 (角川文庫)

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