ももんじ通信

ライフログ的なにか

上野の博物館に行ってきました

行きたい展覧会が終わりかけていたので、上野の博物館に行ってきました。

上野駅がものすごい人出だったのでなんだろうと思ったら、上野動物園のシャンシャン目当ての人出だったよう。

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朝イチで見たときにはコーンの仕切りが人で埋め尽くされていました。写真は11時ごろ。やはりパンダは強いですね。

東京都美術館ブリューゲル画家一族150年の系譜」展

ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜|東京都美術館

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昨年、こちらも東京都美術館で開催された「ブリューゲルバベルの塔」」展(ブリューゲル「バベルの塔」展|東京都美術館)から、bunkamura「ベルギー  奇想の系譜」展(ベルギー奇想の系譜 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで | Bunkamura)など、なにかとブリューゲル付いている気がします。

今回はピーテル・ブリューゲル1世からそのひ孫の代までの作品を扱った展覧会。

バベルの塔の時に思ったのは、ブリューゲルはボス風に傾倒するよりも、その妄想力を活かした作品の方がグッといい感じだなあということ。ボスにあるぶっ飛んだ発想力を真似して描かれた「奇想」風ブリューゲルよりも、絵画の中の人間関係の複雑さや、実在しないものを描かせた時のその緻密さ………そんな「妄想力」のあるブリューゲルが好きだなと思っていました。

今回の展覧会では特にそのピーテル・ブリューゲル1世から受け継がれた緻密さや妄想力の際立つ作品を見ることができて満足です。「静物画の隆盛」では本物と見紛うばかりの緻密な花々、果物、あるいは生き物が描かれた作品が、「寓意と神話」では聴覚、嗅覚、愛、平和、戦争……実体のない概念を絵画に落とし込んだ作品が。それぞれ、ピーテル・ブリューゲル1世の緻密さと妄想力をしっかりと受け継いでいました。

私は、最近になって音声ガイドを使うようになったのですが、音楽や音、ストーリーなどキャプションパネルでは説明しきれない部分が入っているので使ってみて面白いツールだと知りました。本展の音声ガイドのアナウンスは声優の石田彰さん。情感たっぷりな解説が面白かった。対象年齢はすこし低めかもしれません。

ブリューゲル」展開催は4月1日まで。

 

 

初回限定版 BABEL Higuchi Yuko Artworks

初回限定版 BABEL Higuchi Yuko Artworks

 

 

東京国立博物館仁和寺と御室派のみほとけ」

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 続けてトーハクへ。上の写真はまだワクワクしてる段階のもの。

会期は3月11日までだったのですが、流石に東博の企画展は最後の週に行くものではありませんね。会場に入るまで50分待ち(実際はそんなにかかりませんでしたが)の上、会場内は芋洗状態。

資料も小さいものや巻子で横に置かざるを得ないものが多かったため、全ての資料をじっくり見るというわけにはいきませんでした。とっても………疲れた………。

資料パート(第一展示室)の収穫としては空海上人像を間近で見られたことと、あの「弘法も筆の誤り」「弘法筆を選ばず」の空海上人のナマの筆跡が見られたこと。純粋に嬉しかった!

そして、第二展示室………本当に度肝をぬかれました。

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仁和寺!展示室の中が仁和寺

仁和寺の江戸再興と観音堂」では仁和寺観音堂の様子を壁画を含めて完全再現するという気合の入り方。そこまで少し下がり気味だったテンションが一気に鰻上りしました。

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後ろ姿がチャーミングが風神雷神像。

それまでげんなりしていた人の多さも仏像ゾーンからはすっかり忘れて楽しめました。千手観音像の手、一本一本の表情が美しい。

圧巻の降三世明王立像・深沙大将立像は2メートル超ながら檜の一木造り。こんな大きい像で!一木!そうです。平安時代の像は香木でつくる像に倣って基本的に一木造りなのです。

同様に如意輪観音菩薩坐像の色気たるや!間近であんなに美しい仏像が見られて本当に幸せだなあ……と思いました。

ミュージアムショップも芋洗状態で、可愛いグッズもたくさんありました。特に葛井寺千手観音菩薩坐像の細やかな写真は新撮ということで、豊富でやはりくっきりと色々な角度から撮られたグッズが取り揃えられていました。

会期は3月11日まで。

 

マンガでわかる仏像: 仏像の世界がますます好きになる!

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 閑話休題

あいだにそろそろ疲れてきたので、昼休憩。

トーハクは再入場ができないのでどうしても館の中で食事を摂らなくてはいけないのですが……なんと食堂でお弁当が完売だとか。門の前にワゴンでたこ焼きの出店が出ていたので食べました。美味しかった!青海苔の代わりに岩のりを使った特製たこ焼きだそうです。

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写真があまり綺麗ではないのはご愛嬌。

 

円卓 (文春文庫)

円卓 (文春文庫)

 

東京国立博物館「アラビアの道 サウジアラビア王国の至宝」

東博内でもうひとつ開催されていた企画展に「アラビアの道 サウジアラビア王国の至宝」

まったく知らない文化圏の考古資料をはじめ、宝物がたっぷり展示されていました。なんとなく見始めたものの、スケールが大きくてびっくりしました。

でかい資料がとにかく多い

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とりあえずスケールがでかい!サウジアラビアから一体どうやって運んできたの…?という展示品がドバドバ置いてありました。

日用品がモダンで可愛い

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日用品のデザインがモダンなものが多くて、とても可愛いのも印象的。かなり古い資料から幾何学文様の装飾が入っていたり、透明度の高いガラスの器があんなに綺麗に保管されているのが素晴らしい。

武器の装飾が美しい

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これはかなり近現代の資料。銃身や柄、鞘に綺麗な装飾が施されています。アラビアの映画などのイメージの反った刀も初めてきちんと見た気がします。

動物モチーフの資料が可愛い

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日本の古典作品では、まずほとんどお目にかかれない動物がモチーフになってる作品がとても多いのも印象的でした。ライオン・ラクダ・ゾウ・ワシ……デフォルメもとても可愛かった!

展示の中で、猛烈に気になったのがこの作品。

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神話を元にしているらしいんだけど、なにより気になるのが左下の男性のなんとも言えない表情……これはいじっていいやつなの?どうなの?と思っていたら、展示の最後に飾ってあったポスターにも堂々とこの顔がアップで使われていたので触れることに。誇らしげながら哀愁漂う雰囲気が独特です。

 

 

最後に、通常の展示を流して帰ることに。トーハクは全部見てたらやってられないくらい部屋があるので、目当てを定めてなんとなく見てくるくらいがちょうどいい感じがします。本日の目当ては季節ものの雛人形」 と先日横浜美術館で見た高円宮妃殿下の根付展に関連して常設コーナーの高円宮根付コレクション」にしました。早速お雛様から。

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こちらは江戸時代の「古今雛」。THEお雛様!って感じで表情もゆったりした雰囲気。

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こちらも江戸時代の「牙首雛」。手足と顔が象牙でできているそうで、衣装も木目込み。

いずれも豪商の持っていたお雛様だそう。すごいなあ。

次に根付。

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皇帝ペンギンの赤ちゃん。

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ウサギ。

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鼻をほじるゴリラ。

色々な作風の根付がありましたが、私はやはりコミカルなものが好きでした。回ってる最中から、「今日は動物の日!」と思って作品を見たので動物三選。

ついでなので、トーハク内の展示物で今回キュンときた展示をまとめます。

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自在置物。昨日たまたまテレビで知ったものだっただけに興味津々。置く場所・置き方によって姿が変わります。

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刀身に彫られた龍。緻密な彫刻に脱帽。

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台座を支える龍……ほかもろもろ。コミカルでそれぞれのポーズが可愛らしい。

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アイヌ展示室のお守り?荒削りながらも何の動物なのかわかるのがすごい。

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このワシ、手塚治虫っぽいと思うのは私だけでしょうか?

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僧侶に化けたたぬき。引き締まった表情がいとしい。

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君!今年干支だよ!大丈夫?という表情の犬。

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同様の表情の犬。

動物モチーフのほかにもいくつか引っかかったものが。

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伊能忠敬の九州測量図。伊能忠敬志の輔師匠の「大河への道」を聞いて以来、好きになりました。ミーハーですが。

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東海道の道行きを描いた絵図。スタートから…

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こーんなに長く巻子が2つ並んでいるのに、これでまだ箱根までしかないんです。静岡越えるのも一苦労……完成に7年間かかったとか。

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シンプルに感心。捻った形の彫刻。彫った方の頭の中は一体どうなっているのやら……

一度見始めると止まらなくなるので注意が必要ですね。なお、ホームページを見ていたら、広ーいトーハク内を回る目的別に「おすすめコース」というものが公開されているのを知りました。

東京国立博物館 - おすすめコースガイド

わたしだったら、「仏像大好きコース」かなあ〜。

まだ3コースしか公開されていませんが、追い追い増やしていく予定のようです。

 

改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト

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