ももんじ通信

ライフログ的なにか

オカルトギミックは本格ミステリと意外と相入れる

年末に『屍人荘の殺人』の映画を観に行き、そういえば続編も出ていたな……と思い出して読みました。

魔眼の匣の殺人

魔眼の匣の殺人

 

その日、“魔眼の匣”を九人が訪れた。人里離れた施設の孤独な主は、予言者と恐れられる老女だ。彼女は葉村譲と剣崎比留子をはじめとする来訪者に「あと二日のうちに、この地で四人死ぬ」と告げた。外界と唯一繋がる橋が燃え落ちた後、予言が成就するがごとく一人に死が訪れ、閉じ込められた葉村たちを混乱と恐怖が襲う。さらに、客の一人である女子高生も予知能力を持つと告白し――。残り四十八時間。二人の予言に支配された匣のなかで、生き残り謎を解き明かせるか?! 二十一世紀最高の大型新人による、待望のシリーズ第2弾。

amazonより)

ぶっ飛んだギミックを精緻に組み立てて面白い作品というよりは、舞台設定が特殊で面白いタイプのミステリ。誰かが死ぬことだけ確定していて、それが誰なのか?どう殺されるのか?の組み立てを楽しむかんじ。殺すための道具ではなく舞台にオカルトギミックを仕込むのは意表をつく形で面白かった。ただ、あのまま誰も殺しあわなくても偶発的な要素で誰かしらは死んでしまったのだから、物語自体の意義は薄かったのかな?

斑目機関」との因縁を晴らすためのパートに移行していくようだけど、一作目のインパクトを超えることはできるのだろうか……。