時間泥棒に時間を奪われないための100の方法
エンデによって『モモ』が書かれてからはや四十余年、世の中には当時よりずっとたくさんの時間泥棒が蔓延るようになりました。
「暇つぶし」の為の道具が溢れかえり、フルタイムの仕事に追われて、あれこれやったつもりになってるうちに気付けば年の瀬。
今年、結局なんかやったっけ?というつぶやきがポツリと浮かぶのは、時間泥棒が一年365日たっぷりあった時間を持って行ってしまったからに違いないのです。
今年、とみに印象に残っているのは大手広告代理店の新入社員による過労自殺でした。悪いのはもちろん、道具のように社員を働かせ続けた会社に違いないけど、真夜中まで働いても暮らしていけるだけの都市機能の充実にも問題を感じます。日付を跨いでも、24時間営業の店舗では真昼間と変わらず食材が買えて、ご飯を作ることができるのはもはやアタリマエになってしまいました。
生活スタイルの多様化、ももちろん大事。だけどその為に拡張した都市機能にむしゃぶりついて甘い汁を吸うのは、決して生活スタイルを多様化させたい個人が中心ではないのだとまざまざと感じさせられました。
「夕飯が買えなくなっちゃうので帰ります!」と言って帰れるような社会になることはあるのかな、なってほしいと思います。
そして、そんな社会へ一歩踏み出すための方法をたくさん教えてくれるのが『モモ』なのです。
- 作者: ミヒャエル・エンデ,大島かおり
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2005/06/16
- メディア: 新書
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この記事は2016年12月29日にブクログに投稿したものです。